「ごめん…トモ」
「いいよ、気にしてないし…」
「ほんとごめん…」
「いいってば」
濡れタオルで俺の顔を拭きながらひたすら詫びるオミに、謝られすぎて困る俺。
互いに熱を放出した後、オミはくったりとベッドに俯せる俺を見て、急に慌てだしたのだ。まだぼうっとしている俺を抱き起こして、どろっと垂れた白濁をティッシュで拭き取り、さらに濡れタオルで拭き取り。
「トモにあんなことさせた上に顔に出すなんて、俺って最低だな…」
すっかりしょげてしまったオミを見ていると、俺も少し悲しくなってくる。
ご褒美のつもりで、オミに喜んでほしくてしたことなのに。
オミが気持ちよくなってくれて嬉しかったのに。
「ばかっ…」
オミの胸をどすんと叩く。
「いいって言ってんだろ、分かれよばかっ!」
「うぐっ…」
力任せにどんどん叩くと、オミが痛そうに眉を寄せて前のめりになってくる。
「分かった、分かったから」
ぎゅうっと抱き込まれて、身動きが取れなくなってしまった。
体を捩って抜け出そうとしてもどうにもならなくて、脱力して凭れ掛かるとようやく腕の力も緩む。
しばらく無言のまま、呼吸を合わせるように静かに寄り添った。
「ご褒美、まだ全部もらってないよな…」
頬を撫でられて顔を上げると、オミの額が俺のそれにこつんとぶつかってくる。
「もらっていい?残りも、」
言葉の途中で唇を重ねられて、俺は返事の代わりにオミの背中を抱きしめた。

「あ…っ、あ…あ…ぁ…」
繋がった場所から、溶けてしまいそうなほどの熱。
一度経験したからか、初めての時よりも受け入れるのは随分楽だった。
オミが俺の体を揺さぶる度に甘い声が出て、恥ずかしいのを隠す為に必死で言葉を紡ぐ。
「あ…ぁん、オミ、気持ちいい…っ?」
ちゃんと、ご褒美になってる?
「ん、すごい気持ちいい…最高…」
答えるオミの腰がぐっと進んで奥を突かれる。抽迭が激しくなって、俺は体が離れないようにオミにしがみついて脚を絡めた。
「あっ、あ、好き、オミ、大好きっ…」
うわ言のように繰り返すと、オミの腕が背中に回った。
汗で滑る体も、俺の中で息づくものも、吐息すら、全てが愛おしい。
「トモ、俺も…トモが好きだ、絶対離さない…」
「あ…あっ、アッぁっ、はぁんっ……」
強く抱き合って、俺たちは白い世界へ昇り詰めて行った。

第八章 終

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