エピローグ


「ん…」
髪を撫でる手が心地いい。
手は移動しながら頬や首筋を撫でて、その手に擦り寄るように顔を動かしていると。
「ほんっと、猫そっくり」
オミの楽しそうな声が振ってきた。
外見がそれらしいと言われることは小さい頃からよくあったけど、しぐさまでそうなんだろうか?
でも俺は、猫みたいに気まぐれじゃない。
そう思っていたけど、猫も毛色によって性格が違うんだとか聞いた。
よく懐いて甘えん坊な猫もいるんだよ、って。
(別に誰にでも甘える訳じゃないけど)
胸元に額を預けてみれば、優しく抱きしめてくれた。
こんなに甘やかしてくれるのは、オミだけだ。俺が甘えたいのもオミだけ。
「あー、あったかい。幸せ…」
こんなに俺を愛してくれるのも。

今も、この先も、きっと。

伸び上がって顔を近づけて、呼んでみる。
「オミ」
「うん?」
「明日さ、どこ行こうか」
「そうだなー…起きてから考えようか…」
あやすように俺を撫で続けながら、オミの声が少し眠そうになってくる。
暗がりで目をこらしてみると、瞼も閉じかけているようだ。
「ね、何時に起きる」
「んー…」
もう、返ってくるのは生返事になっていた。俺を撫でていた手もいつの間にか止まっていて。
しょうがないな、と苦笑して、薄く開いたオミの唇を軽く食んだ。
「おやすみ、オミ」
おやすみのキスは俺から。
だからおはようのキスはオミからして。
一日の始まりと終わりに、君の顔を見ていたいから。
オミの腕の中に潜り込んで目を閉じる。
こうしてぴったりくっついていると、片時も離れたくないと思ってしまう。
こんな気持ちを知ったのは、君に出会えて、君を好きになれたから。
ありがとう、オミ。


俺を好きになってくれて、ありがとう。


Fin.

これでトモオミ本編は終了です。
長らくお付き合いくださってありがとうございました!
後日談の番外編を準備中ですので、お楽しみに♪

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