根元まで埋め込んだまま奥に押し付けるように何度か揺らして、それからゆっくり引いて、また押し込んで。
様子を伺うような動きが、徐々に一定のリズムを刻み始める。
隙間なくオミを包んだ内壁がざわざわと蠢いた。
「あ…あ…」
指とは違う、それ自体が生きているような熱い塊。
出し入れされると摩擦でさらに熱を持ち、大きく育って行く。
まるで未知の生物に中から喰われてしまうような…
「あっんっ……あ、あ…」
「は…ぁ、やば…」
俺を揺さぶりながら、オミが掠れた声で呟く。
「マジで、すぐイキそ……」
「……!」
そう言って前髪をかき上げるオミに視線を向けてしまったことを、俺は心底後悔した。
寄せられた眉、情欲をたたえて伏せられた目、しっとり濡れた裸体、汗の匂い……それは今まで目にしたどんなものよりもいやらしくて、扇情的で。
ゾクゾクと体内を支配して行くものの正体が分からないまま、目を逸らせなくなってしまった。
「あっは…あぁ…あぁん…っあ、嘘っ…」
体の中心に熱が集まって、そこが頭をもたげ始める。
後ろに抜き差しされる直接の快楽ではない。
泳ぐような腰使いで俺を犯すオミの姿に、オミに犯されている…オミとセックスしているという現実に、言いようのない興奮を覚えた。
「あっ…あっ…オミ…」
「っトモ、は…っ…」
「あぁっ…!」
激しくなる揺さぶりにずり上がる俺の腰をオミが掴んで一気に引き戻す。
奥の奥まで突かれて、電流が流れたように背中がしなった。

オミはそのまま逃がさないとでも言うように俺の腰を離さず、さらに激しいピストンを繰り返す。
「や…いや、いやぁっ……!」
突かれる度に自分自身から蜜が溢れ出して下腹部を濡らして行く。
俺を見下ろすオミの目に映っているのだと思うと、いけないと思うのにますます熱を帯びて止められなかった。
「あ、あっ、あっぁっ、んんん…っぁあ…!」
もはや凶器と化したオミのものに激しく蹂躙されて、俺はもう身悶えるしかない。
オミが出入りする場所からぐちゅぐちゅと濡れた音が聞こえて、あまりに淫らでいたたまれなくなる。
目尻から涙が伝い、振り払うようにかぶりを振った。
「…すげえクる…」
「ん…っや…見ないで…っ…」
荒い息を吐くオミの目は、まるで獣のようで。
レーザーで焼かれるように、その視線が辿る所がチリチリと熱くなった。
それは触れられていない自身にも及んで、むず痒くてたまらない。
視覚、触覚、嗅覚、聴覚…あらゆる感覚が、俺を煽るには十分すぎる材料を次々に送り込んで来るのに、決定的な刺激が足りなかった。
熱を解放するための、そこへの直接の刺激が。
「あっあん、あぅ、あぁぁ、ああ…」
無意識に腰を上げてオミの腹に擦り付けようとしても、両手でがっしりと掴まれていて叶わない。
オミは本能のままに欲望を打ち付けて、絶頂へ向かおうとしている。
これ以上続けられたら狂ってしまいそうだと思った、その時。

「…っは…イく…」
「え…っぁああっ…!」
呟きと共に、オミの手が俺を握り込んだのだ。
「トモ…一緒にイッて……」
「ああっ…んぁっ、あっダメ、はぁぁんっ…!」
全身に鳥肌が立って、ガクガクと痙攣を始める。
オミの動きに合わせて上下に扱く速度がどんどん増し、あっという間に昇り詰めていく。
「…中、うねってる…ん…っ…」
「あ、あ、も…もぅっ、だめ、ダメ…っ!」
体の奥に渦巻いていたものが一気に駆け上がる。
涙の膜が張った視界が、白く霞んで……
「…っ、トモ、」
「ぁ、ぁっあっあッあ、っあ、ああぁぁ……っっ!!」
オミの指の腹で先端をぬるりと触れた瞬間、完全に真っ白になった。
「ん…っ!…ん…は…ぁ…」
「ぁ…ぁ…ぁん…」
ヒクつく中に一際強く突き入れて、一瞬オミが動きを止める。
どくんと脈打った後、ゆるゆると動かしながら時折ビクリと跳ねる様が、絶頂の余韻に震える体には敏感に伝わってきた。
(オミが、俺の中で…)
「…ん…」
口づけられて、俺は満ち足りた気持ちで目を閉じた。

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