「んうっ…う…!」
苦しい。
想像以上の圧迫感。
前儀の時とは違う呻くような声が、オミが腰を進める度に押し出されるように喉を抜けて行く。
オミに唇を塞がれたままで呼吸もままならず、頭の芯が痺れてきた時。
「……っ、は…」
不意にオミが顔を上げて深く息を吸い込んだかと思うと、またそこに力がかけられる。
「あ…!」
先端がずるりと潜り込んで、埋め込まれた場所が目一杯広がっているのが分かる。
ローションのおかげか引きつれるような感じはないものの、まるで体の中心から串刺しにされている気分だった。
オミは浅い呼吸を繰り返しながら、奥へ奥へと侵入ってくる。
最初の遠くなるような圧迫感は幾分薄れ、今度は体の中を割り開かれる感覚に背筋が震える。
「あ、ぁ、まだ…っ?」
このままでは貫通してしまう気さえして、思わずオミに訊ねた。
「ん…もうちょっと、っ…」
「あぁっ……」
ずずっ…と進む感触の後、オミが体の力を抜いて俺の肩口に顔を埋め、深呼吸をする。
気づけばそこはぴったりと密着していて、ようやく全部入ったのだと分かった。
俺も脱力してシーツに沈み込む。そうして初めて、迎え入れたオミ自身が脈打っているのを感じた。
途端にぞくりときて無意識に締め付けてしまうと、オミが小さく息を詰めた。
「トモ…」
「うん」
上体を起こしたオミと至近距離で見つめ合う。
きっと、思いは同じ。
「全部、入ったよ。痛くない?」
「ん、大丈夫…」
「でも、きつかっただろ。ごめんな…」
「あっ…」
オミの指先が、挿入に耐えている間に萎えてしまった俺のものにそっと触れる。
確かに、今の俺の体は快楽を表してはいない。
でも。
「オミ…」
背中に腕を回して、抱きしめる。
一つになれた喜びを、全身でオミに伝えたかった。
「オミ、俺、俺…」
上手く言葉が出てこない。言葉の代わりに、涙が溢れた。
それを吸い取るように口づけるオミの唇を追って、自分のそれと重ねる。
「んっ、ふ、んっん…」
「うん、トモ…俺も幸せ。すっげー幸せ…」
オミの声にも、感情の高ぶりがにじみ出ているように思えた。
泣きながら、何度もキスをして。
涙が落ち着いてきた頃、オミがゆっくり腰を揺らし始めた。

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