指が二本入っているところにもう一本沿えられ、ぐっ…と力を込められる。
オミの言った通り、三本目はそれまでよりかなりきつく感じた。
「トモ、痛くない?大丈夫?」
声をかけながらゆっくり指を進めてくるオミに答えて、首を縦に振る。
異物感はあったものの、痛みはほとんどなかった。
これならオミのもちゃんと入るかも…と、ぼんやり思う。
奥まで入ると、またゆっくりと、今度は内部を拡げて慣らすように指が動く。
「う…はぁ…あ…」
襞の一枚一枚を擦るような焦れた動きが、逆に何をされているかを認識させる結果になって余計に恥ずかしい。
ゆっくり動かしているから音がしないかというとそうでもなく、時折ニチュ…と聞こえる音も羞恥を煽った。
(やばい、逆効果かも…)
でもさっきみたいにしてとも言えない。
じれったくて震えていると、オミが耳元で囁いてきた。
「…今何考えてる?」
「んっ…」
耳介を甘噛みされ、噛んだところを舐められて、体に力が入る。
「あ…今きゅって締まった。耳も弱いんだね、トモ…」
「んん…!」
実況中継のような物言いに、かっと顔が熱くなった。
オミは指をゆるゆると動かし続けながら、さらに低い声を吹き込んでくる。
「俺の考えてること、教えてあげようか」
「…っなに……」
「さっきも言ったろ。俺のをトモのここに挿れて、こうやって動かして…」
「な…っ、」
「熱くて、狭くて、ぬるぬるしてて…たまらなく気持ちいいんだろうなって…」
「や…っ言うなよ…っ!」
あまりの言われように涙さえ浮かんでくるのに、銜え込んだ所はひくついて締め付けるように蠢いてしまう。
中の指にもそれが伝わったのか、オミは熱い吐息を漏らした。
「こんな風にされたら、すぐイキそう…」
「だから言うな…っぁん…!」
突然ずるっと指を引き抜かれ、俺自身の熱と擦られる摩擦で熱くなった内部が外気に触れてぞくりとする。
オミを見るとティッシュで指を拭って、コンドームの袋を破いているところだった。
「あ……」
想像に難くないこの後の行為を思うと、否が応にも鼓動が早まった。
オミがコンドームを着けるのを見ていると、さっき触れさせられた時の感触が脳内に甦る。
指とは違う、それ自体が熱と芯を持った…
あんな杭のようなものを打ち込まれたら、自分の体はどうなってしまうのだろう。
期待と不安が入り交じり、ぶるりと震えた。
「トモ…」
ゴムの上からもローションを垂らして馴染ませると、オミは俺の両脚を開かせて、先端を入り口に押し付けた。
「……慣らしたから大丈夫だと思うけど、痛かったら言って」
こくりと頷く。
覚悟は決まっているのに、いよいよだと思うと体が震えて、俺はオミの腕を縋るように掴んでしまった。
オミは一旦腰を引いて、心配そうな顔で俺を覗き込む。
「怖い?やっぱりやめる?」

−ああ、こんな時にまで。
 今やめたら自分が辛いのに、オミは。

目の前の男への愛しさで胸がいっぱいになり、そして確信した。
この人を好きになってよかったと。
「オミ」
腕を伸ばすと応えるように顔を寄せてくれたオミに、自分からキスをする。
「俺…オミが好きだよ。だから…」
「トモ…」
「ん…」
オミから返されたキスを、体全体で受け止める。
「んっ、ふ…ん…」
舌を絡めながら、オミが俺の腰を抱え直すのを感じた。少しでもオミが楽なように、自分から膝を開く。
「…挿れるよ」
キスの合間に囁かれ、次の瞬間訪れた衝撃に押し出された声は、また口付けに吸い取られた。

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