頭の下から枕を抜き取られ、タオルと一緒に腰の下に敷かれる。
一度ベッドを降りたオミは、クローゼットから箱を二つ出して戻ってきた。
一つの箱からはボトル、もう一つからは小分けの薄いパッケージを取り出す。
俺の視線に気づいたオミが、少し言いにくそうに口を開いた。
「…必要だろ。ローションと、…コンドーム」
「持ってたの…?」
「…っ、いつかトモとすると思って…って、恥ずかしいこと言わせんな」
オミは照れたように言い放つとローションの蓋を開けて、粘度の高そうな液体を指に絡ませた。
休日にオミがつけている香水のような、柑橘系の香りがふわりと漂う。
オミってこういう匂い好きなんだな…と思っていると、空いた手を片膝の裏に差し入れられ、お尻が少し上がるように力を入れられた。
(あ…このカッコ、少し恥ずかしい…かも)
多分、いや絶対、後ろまでオミに丸見えの格好だ。
遮光カーテンで部屋が暗いとはいえ、何がどこにあるか見えない暗さじゃない。
少しは隠れるかと腰をもじもじ動かしていると、
「やっぱりやめる?トモが嫌だったらしないよ」
オミは一旦俺の脚を下ろして、もう一度聞いてくる。
「ううん、ごめん…ちょっと恥ずかしいだけだから…大丈夫」
「恥ずかしいなんて言われると逆に興奮するな…」
苦笑しながら改めて体勢を整えるオミを少し睨んでやってから、深呼吸して目を閉じた。
「…触るよ」
「ん…っ…」
ぬるりと、孔の周りを辿るように指を這わされる。
ぐっ、ぐっと何度か確かめるように押された後、指先が潜り込んできた。
「んぅっ……」
ざわっと、全身に鳥肌が立った。
下肢が強張る。
「トモ、力抜いて。息吐いて」
「ん、ふ…は…あっ…ぁ…」
「そう、その調子…ほら、一本入った…」
指が奥に進む度にぞわぞわと未知の感覚が駆け巡り、目の前がチカチカする。
腕を顔の前にかざして、必死に耐えた。
「は…は…」
しばらく指を中に埋め込んだまま、オミは動かない。
「オミ…?っあ…!」
腕を上げて様子を伺おうとした途端、ずるっと指を引き抜かれて再び目を閉じる羽目になった。
「あ…あ…待って、んん…!」
傷つけるような激しい動きではないけれども性急に指を抜き差しされ、誰にも触られたことのない所を擦られる感触に全身がむず痒いようなもどかしさを覚える。
「トモ…すっげぇやらしい…ここに俺のをこうするんだと思うとマジで興奮する…」
「や…っ…」
熱に浮かされたようなオミの呟きにゾクゾクする。
言われたことで指のピストンがまるでオミ自身のように思えて、どうしようもなく息が上がった。
「もう一本入れるよ…」
「ん…んっ、んっあ、あ…っあっぁっ、あぁっ…」
今度は慣れるまで待つことなく、一度奥まで入った指はすぐに内部を蹂躙した。
本来そこからはするはずのないぐちゅぐちゅという濡れた音にも犯されているようで、瞼がじんと熱くなる。
瞬きするとぽろぽろと零れ落ちた。
「ぁう…あっ…やぁ…」
「トモ、気持ちいい…?」
訳が分からなくて泣きながら喘いでいると、オミの声が降ってくる。
「わ…わかんないっ…」
これは本当だ。本当に気持ちいいのかどうか分からない。でも。
「でも、勃ってきてる…」
「ひぁ…!」
両手が塞がっているオミは、俺のそこに顔を近づけて舌を這わせる。
舌先がくびれに引っかかって、とぷんと溢れたものが伝い落ちるのが分かった。
羞恥にさいなまれて、声が出るのを我慢していると呼吸が苦しくなってくる。
「ん…っう…っ、は、ぁ…っ」
「トモ…我慢しないで」
「やぁっ…も、無理…っ、死んじゃう…っ…」
叫ぶように訴えると、オミの手がぴたりと止まった。
押さえていた膝の裏から手を離して、俺の額に張り付いた前髪をかき分け、震える瞼と唇にキスを落とす。
「…この状況で死んじゃうって言われると、褒め言葉のような気もするけど…」
「…?」
「いや、ちょっと興奮しすぎちゃったな。ごめんな」
オミはもう一度俺を宥めるように口づけると体を起こして、二本の指を抜けるぎりぎりまで引き、ローションのボトルを手に取った。
「今度はゆっくりするから。ちょっときついかもしれないけど、もう一本入れるよ?」
とろっ…と、孔と指の境目にローションが垂らされる。

BACK←→NEXT


連載/短編/お題
サイトトップへ


広告が表示された場合はレンタルサーバーによるものです。

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送