うわ…この体勢。
いよいよ今からしますって感じで、やっぱり緊張してきた…
しかも外は明るい。電気をつけなくても外光だけで十分なほどだ。
「オ、オミ…一つだけお願い聞いてくれる?カーテン閉めてほしいんだけど…」
俺が頼むとオミはああ、と言ってすぐに閉めてきてくれた。遮光率の高いカーテンが、部屋を程よく暗くしてくれる。
戻ってきたオミはベッドに腰掛けて上体だけ倒した状態になっている俺の足を上げさせてきちんと横たえると、改めて俺を跨ぐように上に乗って、顔の横に手をついた。
「じゃ、俺からも一つお願い」
「うん?」
「自分のこと、『なんか』って言うなよ。トモだからしたいんだ。初めてなんだよ、他の人にこんな気持ちになったことなんかない」
「うん…」

ん?今何て言った?

オミの言うことに微かな違和感を感じたけれど、疑問が口をついて出る前に飲み込まれてしまった。

「ん…ん、ぁ…」
キスをしながら脇腹を撫で上げられて、小さく声が漏れたところで唇の隙間から舌を差し入れられる。
「あ…はんっ…んぅ」
舌を絡めとられるとすぐに息が上がって、頭がぼーっとしてきてしまう。それを、体を這い回るオミの手が引き戻した。
ただ撫でられているだけなのに時折体がビクンと跳ねて、喉の奥から変な声が出るのを抑えられない。
「ん、んふっ、んあ!」
脇腹から上に移動したオミの指先が胸の突起を掠めた時、俺の体は大袈裟なほどに震えて快感を訴えた。
オミは唇を離して体を起こすと、俺を見下ろして熱っぽく息を吐く。
「トモ、エロい…」
「……!!!」
いきなり何を言い出すのかと耳を疑った。
裸の上半身、濡れた唇、心なしか上気した頬、熱の籠った目…今の状態ならオミの方がよほどエロいんじゃないだろうか。
でもそれを口にするのは憚られて、オミの視線から逃れるように顔を背ける。
見られているだけで、体の熱が上がってしまいそうだ。
裾をたくし上げるオミの手を助けるように背中を浮かして、トレーナーを脱がされる。
涼しくなったと思ったのは一瞬だった。

オミが再び覆いかぶさってくる。
シーツと背中の間に腕を回されて、ぴったりと体を密着されたまま口づけられた。
「んっ…ぁふ、ん、オミ…っ…」
何も隔てるものなく肌を触れ合わせているので、うるさいくらいの鼓動がオミに伝わってしまうのではないかと思うのに、腕を解くことができない。
オミの頭を掻き抱くように、キスに夢中になった。
「は…トモ、ギャップありすぎ…」
「な、あ…っ!」
何が、と聞く前にオミの舌が首筋をつっと舐め上げて、背筋をぞくぞくっと駆け上がる感覚に身を捩る。
甘噛みされると、腰が疼くような気さえした。
現に体の中心で欲望が兆し始めている。
何日か前に同じベッドでしたことが思い起こされて、振り払うように力なく首を振った。
「…この前の跡…」
「え…?」
「薄くなってる。つけ直していい?」
「い…っ、」
急に噛み付くように強く吸われ、微かな痛みにぎゅっと目を閉じる。
きっと以前よりはっきりと濃い跡がついただろう。
「ごめん…トモ。トモのこと独占したくてたまらないんだ。こうやって跡つけて、誰にも触らせないようにして…」
苦しそうな声。オミはその場所を癒すように舌を這わせながら、さらに続ける。
「他のやつに見せたことのない顔、俺にしか見せないで…」
「あっ!」
さっき掠めた突起を指先で押しつぶされて腰が浮く。そのまま摘んだり転がしたりされて、ピリピリと電流を流されたような痺れを感じた。
「あ、あっ、ぁんっ…やぁ…」
「そんな声も、俺以外のやつに聞かせたりしないで…」
「…なわけ、あぁっ…!」
反論する間もなく、ぬるついた舌がそこを包んで喉が震える。
あまりにストレートに伝えられるオミの独占欲が性感に直結して、体が素直に悦びを表現する。
「トモのことが好きすぎて、おかしくなりそうだ…」
「あ…ぁ…だめ…っ、っ……!」
無意識に動かした脚に触れたオミの昂りを感じ取った瞬間、既に達しそうなほど張りつめている自分自身に気がついた。

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