オミは自分のシャツを脱いで床に放ると、俺に覆いかぶさって来た。もう一度唇に軽くキスを落として、首筋に吸い付いて来る。徐々に乱れる俺の息遣いと繰り返されるキスの音が必要以上に大きく聞こえて、余計に俺を昂らせた。
「は…ぁ、はっ、は…」
「感じる……?」
ぎゅうっと握りしめた俺の手を上から優しく握って、オミは一旦身体を起こした。多分俺の顔を覗き込んでる…よく見えなくて、俺は自分が涙を浮かべている事を知った。
痛い訳でも悲しい訳でもないのに、視界がにじむほどに浮かんだ涙。オミに触れられる所全部が熱くて、頭がぼうっとして、これが「感じる」って事なんだろうか。
「イイ顔…すごい、色っぽい」
「ぅあっ……」
胸元に降りて来た突然の刺激に思わず跳ねる。小さな突起がオミの舌に包まれて、男の身でそんな所を他人に愛撫されるなんて思った事もなかった俺はその刺激をどうやり過ごせばいいのか分からなかった。
「あ、あ、オミ、だめっ……」
「だめ?イヤ?」
「…じゃない、けどっ…ん、ぁっ」
オミがそこを舌で突ついたり吸ったりする度、覚えのある感覚が沸き上がって来ていた。下腹部が疼くような、血液が集まって行く感覚。これ以上されたら、オミにも分かるほど反応してしまう。何とか膝を立ててオミの下から身体をずらそうとすると、逆に両脚の間にしっかりと身体を割り込まれてしまった。
「う…あ…あっ…」
形を変えた俺のものがオミの鳩尾の辺りに触れる。恥ずかしくてたまらないのに、布越しに擦れる感覚に背筋が粟立って、それはまるで自分の意志に反して熱を溜め込んでいった。
「っあ…!ちょ、っと…!」
脇腹を撫でられてびくりとした次の瞬間に聞こえた音に思わず我に返る。肌を這っていたオミの手が、俺のズボンのベルトを外しにかかっていた。
「待って、待って…!」
慌ててオミの手を押さえて止める。重なった手のすぐ下に俺自身が布地を押し上げている様が見えて、今度は羞恥に耐えきれずに涙が浮かんだ。オミが伸び上がって、キスでその涙を拭う。
「俺言ったよね、トモの事全部知りたいって」
「でも、こんな……っ」
みっともない俺。醜い部分を見られる事にはさすがに抵抗があった。
「俺はトモが心配してるような事、何も思ってないから。大丈夫だから」
心の中を見透かしたように語りかけられても、戸惑いを拭い去る事ができない。
「あともう一つ…俺の事も全部知ってもらいたいって言ったよね」
「……っ!」
身体を密着させられて息を呑んだ。俺だけじゃない、オミのも、熱くて……
「分かる?」
「ん…っ、んふ…ふぁっ……」
与えられた口付けは今まで知らなかった、呼吸と一緒に欲情が流れ込んでくるような濃厚なもので。身じろぐ度に更に熱くなるような感覚に、言いようのない興奮を覚える。唇から少し遅れて離れた舌先は糸を引くほど濡れていた。
「もう止まらない。だから、お願い」
その言葉とともに、頭をもたげた俺自身が露にされ、外気に触れて小さく震えた。

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