(あーやばい…超気持ちよかった…)
乱れた呼吸を整えながら、オミはうっとりと目を閉じる。
セックスを終えると眠くなるのが男の性というもので、このまま心地よく眠りにつきたいところだったが、まだトモの中に自身を収めたままであることを思い出し、重くなってきた体を起こそうと身じろぐと…
「あ、だめっ…」
下から伸びてきた腕にぎゅっと捕まえられ、引き止められた。
まだ離れたくないのか、可愛いことをするなと思い、緩む口元を無理矢理引き締めながらトモの顔を見遣ると、未だ瞳を潤ませて頬を染めている。オミと目が合うと、ぽろぽろと涙を零してしゃくり上げた。
「お、おれ、どうしようっ…」
「トモ?」
ぐすぐすと泣きながら混乱する様子に、さっき体験したばかりの未知の快楽が怖かったのかと、そう解釈したオミは優しく声をかける。
「大丈夫だよ」
「ちがう…おれ、変なんだ…っ」
かぶりを振って、首筋にしがみついてくる。よしよしと背中を抱いてやると、密着した下腹部に違和感を感じた。
考えるより先に手で探ってそれに触れると、トモの全身がびくっと痙攣した。
「あ、あっ」
それはまだ熱を保ち続けて、オミの手に脈動を伝えてくる。軽く撫でるとオミを受け入れた中がひくひくと蠢いて、萎えかけたものを再び呼び起こすように刺激した。
トモは一層強くオミにしがみつき、助けを請う。
「おさまらないんだ…っ、どうしよう、オミ…っ」
「トモ…」
抱きしめて宥めているのに、トモの言う通り一向に治まる様子がない。それどころか中の熱は増すばかりで、トモは制御のきかない自身の体をオミに擦り付けて泣きじゃくった。震える脚をオミの腰に巻き付け、より密着を強める。
「っ…」
中のものを擦り上げるように腰を揺らされて、オミはたまらず息を詰めた。
一度深く呼吸をして、トモの唇に口づける。舌を差し出せば積極的に絡んで、性的なことに対してはまるで免疫のなかったトモが短期間で…むしろこの短時間でこんなにも淫らに変貌した理由を思い起こせば、自分がそうさせたのではないかと思うと、男としての征服欲が満たされる感覚に身震いが起きた。
「ん…、オミ、もう、したくない…?」
キスの合間に、至近距離から誘われれば。
「…そんなわけ、ないだろ」
自分だけの娼婦と化した愛しい恋人の腰を抱き直し、オミは熱い泥濘の中を再び動き始めた。

------------------------------------

「でさー、もうトモがなかなか離してくれなくてさー」

週明け。オミはトモの目を盗んで俊介を呼び出し、約束通り『詳細に』事の顛末を語って聞かせていた。
俊介にしてみればオミだけにいい思いをさせるのが癪で、言いたくないであろう閨の話を喋らせてやろうという軽い意地悪のつもりだったのだが。
(この野郎、幸せそうなツラしやがって…)
上機嫌なオミに無理矢理おごられた缶の汁粉をすすりながら、やはり上機嫌なまま、もはや自慢話のように話し続けるオミを、俊介は溜め息をついて一瞥した。

BACK←→NEXT


長編/短編/お題
サイトトップへ


広告が表示された場合はレンタルサーバーによるものです。

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送